だんだんと見た目が変わって女性的になっていっても、変わらずに働き続けられる職場を探していました。

だんだんと見た目が変わって女性的になっていっても、変わらずに働き続けられる職場を探していました。

M.Kさん(MTF/24歳)
最終学歴:高校卒業
経験社数:正社員1社・アルバイト1社
前職:ファミレス店員 ≫ 現職:家電量販店店員

転職成功のポイント
仕事のやりがいと自分らしく働くことの両方を大切にしたこと

全従業員へのアウティングを受け、メンタルが弱ってしまいました。

ー 高校を卒業されて、まずは建設現場のアルバイトを始められたんですね。

高校卒業と同時に地元の建設現場でフルタイムのアルバイトとして働き始めました。現場仕事ということもあり、時給はとてもよかったです。月17万円程もらっていました。ただ、働く環境としてはあまりよくなく、休日出勤も当たりまえで月の休みが2、3日しかとれないときもありました。

現場仕事で体力勝負なところがあったので、休みが少ない状況はとても長くは続けていけないなと思っていました。それでもなんとか3年は続けました。20歳を超えたのをきっかけに、そろそろ正社員として働きたいと思って転職活動をしました。

ー 転職活動はどのように進められましたか?

転職サイトを活用して転職活動をしました。人と話すことが好きだったことと、正社員経験がなくても始められる求人が多かったことから、飲食店の接客の仕事を中心にみていました。

入社したのは全国チェーンのファミレスです。20代~30代の若いスタッフが多く、中途入社比率も高いというのが売りで、馴染みやすかったです。

私が配属された店舗は24時間営業だったので、忙しい日はなかなか帰れず、3時間ほど残業することもありました。でも忙しい時ほど時間が経つのはあっという間で、達成感はとてもありました。それと、常連のお客様との会話はとてもアットホームで、温かい気持ちになり、この仕事が好きだなと思っていました。

ー やりがいを感じていたんですね。1年程お勤めされていましたが、退職をされたのはどうしてですか?

私は、自分のセクシュアリティをMTFトランスジェンダーだと自認しています。はっきりと自認したのは比較的最近のことです。特に何かあったわけではないのですが、違和感を覚えたのはファミレスで働き始めてからでした。就職にあたって上京してきたことがひとつのきっかけになったのかもしれません。

正社員の場合、通勤時はスーツの着用規定があります。私の場合、毎日スーツを着てネクタイを締めることが本当に辛かったんです。勤め始めて1年近く経った頃、休みの日に本社の人事部に連絡をして、カミングアウトしました。『診断を受けたわけではないですが、MTFトランスジェンダーです。』と。毎日スーツを着てネクタイを締めることが辛いことを伝え、通勤時の服装をオフィスカジュアルか、せめてノーネクタイにしてもらえないか相談をしました。その場では検討してみますと言ってもらいました。

ー とても勇気のいる決断だったと思います。

もちろんとても緊張しましたし、怖かったですけど、ここは田舎のように閉鎖的ではないですし、だからなんとかなるんじゃないかと思っていました。でも実際は酷いことになってしまいました。

休み明け、店舗に行ってみると、アルバイトにまで私がMTFトランスジェンダーだと知られていました。店長はよそよそしく、アルバイトからは挨拶を無視されました。勤務中にアルバイトへ指示をだしても全然聞いてもらえなくなりました。

そんな状態が2週間程続いた頃、常連のお客さまから『最近、いつもより元気がないけどどうしたの?』と声をかけてもらいました。その瞬間、涙がでてきてしまい、もう勤務を続けることはできないと思いました。人事部からも何も連絡はなく、私から連絡をする気持ちにもなれず、メンタルがどんどん弱ってしまい、泣く泣く退職をしました。

最初は男性の格好で、ゆくゆくは女性として働ける職場を探しました。

ー アウティングが理由で働きづらくなってしまい、やむを得ず退職をすることになったのですね。

始めてのカミングアウトがアウティングに繋がってしまったので、メンタルは相当弱ってしまい、退職してから1か月くらいは何もできませんでした。しばらく休んで、気持ちが落ち着いてから転職活動を始めました。

MTFトランスジェンダーだと自認したのが最近だったため、ホルモン治療も初めていませんし、メイクの勉強もこれからですし、女性物の洋服などももっていません。外見的には髪がやや長めの中性的な男性に見えると思います。なので、すぐに女性として勤務するのは無理があると思い、移行前のMTFトランスジェンダーということを理解してもらえるようなLGBTフレンドリー企業を探したいと思いました。

ー Nijiリクルーティング転職を活用してみて、いかがでしたか?

転職活動を始めてすぐにNijiリクルーティングに登録をさせてもらいました。最初の電話は30分から1時間程度と説明があったのですが、実際は1時間半以上の時間をかけてもらい、とても親切な対応だなと思いました。

私のように途中で自認したMTFトランスジェンダーでも大丈夫か、診断がなく性別移行前でも大丈夫か、最初は中性的な男性の見た目で入社をして働きながら移行していくことはできるか、などなど、いろいろと質問をさせてもらいましたが、どれもとても丁寧に教えてもらいました。

実際に応募する求人を選ぶ際にも、求人票には記載されていない情報なども教えていただきました。いろんな情報を教えてもらえたことで、移行前のMTFトランスジェンダーとして働いているイメージを持つことができて、安心して応募することができました。

それと、セクシュアリティに関する情報だけでなく、入社後のキャリアに関する説明や面接時に企業の担当者の方が見ているポイントなども個別で教えてもらえたのも内定を獲得できた要因だと思います。

セクシュアリティに関する希望を人事から聞いてもらえたのがよかったです。

ー 実際に求人企業に応募をされてみて、セクシュアリティの理解度合いはどうでしたか?

書類選考が通過したタイミングで、Nijiリクルーティングの方から応募企業の人事の方へMTFトランスジェンダーということを伝えてもらいました。事前にセクシュアリティを知ってもらってから面接に挑んだので、人事の方から『セクシュアリティに関する希望はありますか?』と面接時に聞いてもらえました。

面接対策の時に企業の方ができるだけイメージしやすいように働くうえでの希望の伝え方をNijiリクルーティングの方が一緒に整理してくれていたので、希望の配慮事項もしっかりと伝えることができました。もし私一人で転職活動をしていたら、仮にLGBTフレンドリー企業の面接に進んだとしても、『最初は男性で、ゆくゆくは女性で』くらいしか言えなかったと思います。

ー 入社をされてから、セクシュアリティに関して困ったことなどはなかったですか?

入社前に服装の確認や通称名の使用、カミングアウトの範囲をどうするかなど、しっかりと相談できていたので、入社してからセクシュアリティに関して特に困ったことはないです。見た目に関しては今も中性的な男性だと思いますが、男性らしくとも、女性らしくとも言われないので、働きやすいです。

カミングアウトについては、お客様から仮に何か言われたりなどあったときに守れるように、ということで基本的には一緒に働く店舗のメンバーには伝えて入社をしました。カミングアウトをしましたが、快適に働けています。

もともとはセクシュアリティが最優先でしたが、今は仕事に対する目標もできました。

ー 安心して自分らしく働ける環境と出会えて、本当によかったです。

まだ先のことではありますが、性別移行の手術にあたって休暇を取得する場合には事前に相談をしてくださいと言われており、改めてありがたいと思っています。

前職を退職してから何もできなかった1か月間、セクシュアリティを優先するのであれば、間違いなく接客の仕事はできないだろうと考えていました。実際にNijiリクルーティングに登録した時にも希望職種の欄には『見た目は男性ですが、MTFトランスジェンダーで、今後診断を受けて治療を始めていきたいので、そのような状況でも働ける職場』と書いたと思います。

見た目の問題があるので、好きな接客業を続けることは難しいと勝手に思っていましたが、Nijiリクルーティングの方と相談して、好きな仕事を続けられる道を見つけることができて本当によかったと思います。

ー セクシュアリティ以外の職場の環境や仕事内容はどうでしたか?

販売店の現場では覚えることがたくさんあります。覚えること自体はとても大変ですが、周りには優しい人が多く、質問をしたらちゃんと手を止めて教えてくれます。

周りの方の期待に応えられるようにしっかり勉強し、少しでも早く成果を残して、将来は本社勤務になりたいと思っています。実際に人事の方は現場から本社にキャリアアップしていると聞いているので、私も本社にキャリアアップして、将来は人事の仕事に就けたらいいなと思っています。

セクシュアリティが最優先という私でしたが、仕事に対する目標もでき、とても充実した日々を送っています。好きな仕事で尚且つ今のこの環境だからこそ、ちゃんと目標を持って前向きに頑張れています。

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