
希望条件の明確化の進め方
転職をする際には『どんな仕事をするか?』という希望職種以外にも、休日・休暇、残業時間、給与、勤務地など複数の希望条件を考えます。
複数の希望条件がある場合、全ての希望条件を満たす求人を見つけるのは非常に難しいです。特に既卒や第二新卒の場合は、スキルが明確にあるわけではないので、ポテンシャル採用を実施している企業を狙うことになります。既卒・第二新卒の場合の内定率は4割程と言われているので、選り好みをしすぎるのは、あまりおすすめできません。とはいえ、希望条件を持つことは、就職先を決めるにあたってとても大切です。
よりよい企業に転職・就職するために、希望条件の明確化を行っていきましょう。
希望条件を明確化することで得られるメリット
- 早期離職を防ぐ
転職にあたってのミスマッチを防ぎ、早期離職にならないようにするということです。希望する企業に転職できた人の中にも早期離職にいたる人が一定割合います。早期離職になる原因としては、一言で言えば求職者と求人企業のミスマッチです。すなわち自己分析と求人企業の理解の不足が原因となっています。
このようなミスマッチにならないためにも、まずは自分の希望条件を明確化し、それが満たされるかどうかを判断することが大切です。 - 内定を取りやすくする
選考において内定が取りやすくなるというメリットがあります。基本的に応募する企業の志望動機は、自分の希望を満たせるからということがあげられます。選考過程では、志望動機を質問されることが一般的ですが、それは求職者の希望条件の確認でもあります。求人企業も希望条件(≒志望動機)が自社の提供できるものでないと感じれば、求職者のスキルが高くても、内定がでないというケースも多々あります。
このように希望条件を明確化しておくことは、よりよい転職活動を行ううえで非常に大切です。それでは実際の希望条件の明確化の進め方について確認していきましょう。
まずは希望する条件のリストアップを
まずは自分が職場に希望する条件をリストアップしていきましょう。希望条件が全くないというのが転職を遅らせる1番の要因になることもあります。最初は現実的に叶えられるかどうかや、希望条件の個数などは気にせず、思いつくものをあげていきましょう。
希望条件としてあげられることが多い項目としては以下のようなものがあります。
- 職種
- 業界
- キャリアアップができる
- 社風がいい
- 企業理念に共感できる
- 給与が高い
- 賞与がでる
- 退職金制度がある
- 社宅(手当)が欲しい
- 土日休みがいい
- 休日数は120日以上欲しい
- 就業時間は固定がいい
- シフト制のほうが働きやすい
- 残業時間は30時間までがいい
- 通勤時間は1時間以内がいい
- 転勤は避けたい
またLGBTの求職者は希望条件としてセクシュアリティに関連する項目があがることもあります。LGBTフレンドリーな求人企業であれば、セクシュアリティに関する希望条件を伝えることも可能ですので、まずは考えてみましょう。
リストアップ後には希望条件の深堀りを
リストアップした希望条件を、より具体的に説明できるように考えてみましょう。例えば賞与が出る企業がいいという希望があった場合、賞与としていくら欲しいというのは明確にあるでしょうか?
あるいは、社風がいい、という希望もあります。ハラスメントなどが多い職場で働きたくないのは当然ですが、では社風がいいというのはどういうことでしょうか?
希望条件というのも人によってとらえ方はさまざまなのでできるだけ具体的にすることをお勧めします。
特に下記の項目は定量化でき、また多くの人が大切にする項目です。求人を検索したり、転職エージェントに探してもらう際にも定量化できる項目は大事になるので、必ず具体的に考えておきましょう。
- 職種
- 勤務エリア
- 転職可能(希望)時期
- 年収
- 休日(土日or平日orシフト制など)
- 就業時間
最後に希望条件の絞り込みをしていきましょう
希望条件を具体的に考えたあと必要なのは、条件の優先順位付けです。自分の希望通りの求人から内定が得られればベストですが、現実的には難しく、働くうえではさまざまな妥協を求められるのが現実です。その中で自分として大切にしたい希望条件を明確にしておくことはミスマッチを防ぐうえで何より大切になります。
優先順位をつけるために必要なこととして、転職市場の状況を把握しておくということがあります。
例えば、希望条件として最も大切なものの一つに年収があります。既卒・第二新卒の25歳の求職者が未経験歓迎求人に応募する場合に、年収500万円希望といってもそれを満たせる求人は転職市場にはほぼないので、その希望条件で転職活動をしても希望通りの内定をとることは非常に難しいです。
では、社会人経験が8年ある30歳の求職者なら500万円の年収希望は満たせるでしょうか?これは満たせる場合もありますが、満たせない場合もあります。
例えば、その人がこれまでの8年間のキャリアをいかさず未経験歓迎求人に応募する場合には、仮に現在500万円の収入があったとしても、転職直後に同じ年収を得るのはまず難しいです。また、仮にキャリアを生かした転職を考えているとしても、勤務可能エリアが非常に狭い場合などもマッチする企業を探すのは困難です。
あるいは、営業職の経験者が、別の営業職の求人に応募をするという場合でも、営業職の仕事内容は多岐にわたり、これまでの経験がどれくらい評価されるかはなかなかわかりにくいです。
このように転職市場の状況を把握するというのは、実はかなり難しいです。ほとんどの人が転職した経験は数回程度で、初めての転職活動という人も多く、転職市場に不慣れです。また転職市場における市場価値というのは、自分一人ではなかなかわからないこともあるので、不安がある求職者は、経験豊富な転職エージェントに相談するという方も多いです。
さらに希望条件が複数ある場合は、その優先順位を考える中で、なるべくMUST(最小限)に絞り込むということが大事です。
転職活動においては、入り口を狭めすぎると全く応募できないor内定がとれないということにもなりかねません。応募企業をある程度絞り込める程度まで希望条件を厳選しておきたいですね。